積極的に導入している病院

積極的に導入している病院


iPhone導入事例

愛媛県四国中央市にあるHITO病院は、iPhoneの音声入力機能を利用してカルテの記録ができる電子カルテシステムを導入しました。これまで医療スタッフ間の連絡手段として利用していたPHSのサービス終了が近づき、その代替としてFixed Mobile Convergenceの導入が進んでいますが、HITO病院では医療スタッフの持つ端末をただの連絡手段としてだけではなくより有効に活用できるよう、電子カルテとの連携が可能なiPhoneの導入に踏み切りました。時間のかかる電子カルテの記入作業を音声入力機能によって短縮し、医療スタッフとしての本来の業務に集中してもらい、医療の質向上を図るだけではなく、業務効率化による負担軽減につなげようという試みです。
2018年からスマホを導入しましたが、当時は音声入力によって記載されたテキストを事務員が電子カルテにコピーする手間がありました。しかし改良を重ねた結果、今ではスマホから電子カルテに直接記入することが可能となりました。音声入力だけではなく、患者の情報やカルテの閲覧ももちろん可能です。また、オーダー情報の確認やiPhoneのカメラ機能を利用したQRコード認証が可能です。さらに、カルテへの写真添付や検温結果参照・入力、生化学検査結果の閲覧なども可能で、今後は放射線画像の閲覧も可能になる予定です。

医療系アプリの導入事例

東京都にある東京慈恵会医科大学は医療ソフト会社と共同で「Join」というアプリを開発しました。これは、医療関係者同士のコミュニケーションアプリで、2016年には保険診療の適用がされています。汎用画像診断装置用プログラムが組み込まれており、専門医がいない救急現場においてすぐにでも情報が欲しい場合に、医療関係者間でコミュニケーションを取れるものです。画像管理システムと連携しており、必要な情報を素早く共有できるメリットがあります。慈恵医大では約400人の医療スタッフが使用しています。
このアプリを導入したことによって、脳梗塞患者へのプラスミノーゲーンアクチベータを施行するまでの時間が30分も短縮できたという研究結果も出ています。脳梗塞は特に素早い対応が求められる疾患であり、プラスミノーゲーンアクチベータの投与開始が短いほど患者の命を救える可能性が高くなります。そのため、Joinは脳梗塞の人命救助において非常に高い効果を発揮しており、多くの命を助けられる可能性を秘めています。
日本では2014年に「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」が新しく制定されました。これにより医療用ソフトウェアが単体で医療機器として認められるようになったため、これからもこのような医療系アプリ開発は進んでいくことが予想されます。

【 医療現場のIT化を考える 】

患者の情報をデータで管理する電子カルテの導入が医療現場で進んでいます。スマホと連携したシステムも開発されるなど、IT化が進む医療現場において役立つ知識を紹介していきます。【当サイト連絡先】