一方でデメリットもある

一方でデメリットもある


考えられるデメリット

電子カルテのデメリットとしてまず挙げられるのは、停電に弱い点です。最近は無停電装置などの対策により停電してすぐに使えなくなるようなケースは少ないですが、長く停電が続くとなると発電機が必要になります。そもそも、停電時は電子カルテだけではなく医療施設全体にダメージがありますので、停電時に通常通りの診療を行うのは難しいでしょう。また、故障についても考えておかなければなりません。PCで管理するため、試用期間が長くなるほど故障する可能性は高くなっていきます。そのため、電子カルテ導入後は定期的なメンテナンスや機器の入れ替えを見込んでおく必要があります。ただし、電子カルテシステムを導入しているPCがすべて同時に故障することは考えにくいです。データベースに保存していれば、ひとつの端末が使えなくなっても他の端末で運用することが可能です。
他に考えられるデメリットとしては、医師が電子カルテの画面ばかりを見てしまい、患者を見ない可能性があります。入力時はどうしても画面の方に集中してしまいます。紙カルテなら片手で記入しつつ時々患者の方を向くことも可能ですが、電子カルテだとそれができない医師もいるでしょう。これを解消する場合、画面の置き方や入力方法に工夫が必要です。また、一覧性が低いというデメリットがあります。紙ならペラペラめくりながら全体を眺めることができますが、電子カルテはそうはいきません。一覧表示機能や検索機能を上手に使いこなす必要があるでしょう。

場合によってデメリットとなる部分

場合によってデメリットとなる点としてまず挙げられるのは、費用対効果に関する部分です。電子カルテの導入と保守には当然ながらコストがかかります。端末の数やオプション機能によって金額は変わりますが、電子カルテに慣れていないスタッフが多い場合は学習コストも必要になります。そのためなかなか導入に踏み出せない医療機関も多いようですが、電子カルテを上手く運用できれば大幅に業務効率が上がります。施設運営でかかる費用として大きな割合を占めるのは人件費です。電子カルテを導入することで残業代カットや配置転換による人員確保が可能です。
また、PC入力に慣れていない医師は特に不安を覚えるでしょう。PC入力がまったくできない人が一から覚えるのは非常に大変です。しかし、最近はワンタッチ入力や音声入力などの機能があるので、それらを上手に使えば負担を減らすことができます。

【 医療現場のIT化を考える 】

患者の情報をデータで管理する電子カルテの導入が医療現場で進んでいます。スマホと連携したシステムも開発されるなど、IT化が進む医療現場において役立つ知識を紹介していきます。【当サイト連絡先】